2010年1月11日月曜日

笑い男、あります。

2010年元旦から、かなりのペースで読書を続けてきました。本日で7冊目を読破。年間目標150冊に向けて順調な滑り出しです。が、如何せん、社会人は余暇に割ける時間が少ないのは事実。計画的に読書に励んでまいります。

さて、ブログをはじめて丁度1週間。「On my らいふ。」は「書評」「映評」「番外評」の3つの柱を中心にブログを展開していきたいとおもいます。えびすのつれづれな「評」にどうぞ付き合ってあげてくださいませ。※「番外評」に変な評論も多々つづるとは思いますが、ご愛嬌とおもって堪忍ください。

ではでは、本日の作品を評していきましょう。ご紹介するのはアニメからこの作品。

商品の詳細

えびすはエヴァンゲリオン、ジョジョの奇妙な冒険、そして攻殻機動隊の3作品は後世に残すべき「殿堂アニメ」として位置づけております。ちなみにこれら3作品を子供に見せても、「わけわかんなーい」の一言で片付けられてしまうでしょう。「大人のための社会学アニメ」というフレーズがぴったりな作品群です。

笑い男が取り上げるストーリーは「薬事法改正と政府・国の癒着問題」。電脳硬化症と呼ばれる病気の治療法に関して、国・政府は薬事法を改正し、従来のワクチンによる医療方法を否認、マイクロマシン療法を推進するという方針を取ります。医療法としてはワクチン療法が優れた効果を示す一方、マイクロマシン療法は効果が無いとわかっているにもかかわらず、目先の利益のために、国・医療機関関係者は国民の生命を犠牲にする道を選びます。マイクロマシン医療装置のベンチャー企業の一角であるセラノゲノミクスの特許を認可、正規認可を与え、株式の売買で多額の利益を出します。ここで、笑い男が登場。セラノ社の社長にマイクロマシン療法の電脳硬化症に対し、何の効果も無いことを国民につたえろと脅迫します。しかし、セラノ社長はこれを拒否。笑い男は強引な手段に出るも失敗、逃走します。

物語としてここで終われば、そこら辺のアニメと差異は無いでしょうが、攻殻機動隊はもう一歩踏み込んでいきます。

メディアに笑い男が映されたことを利用し、国・政府は笑い男を上手く利用して、多く企業の株価操作に着手します。具体的には、架空の笑い男を仕立て上げ、A社の株の空売り⇒A社への脅迫、株価暴落⇒A社の株の買戻しにより、多額の利益をえていきます。
ちなみに、物語は、公安9課の活躍で政府の癒着問題が明らかとなり、Good endingを迎えます。

この物語を組み立てた人は凄い。なにせ薬事法と国・政府の癒着は、実際の社会でも起こりうることだから(起こっているといっても間違いではないかもしれません)です。なにをするにもお金が必要なのは認めます。しかし、そのお金は、今・ここに生きている人たちの生命を犠牲にしてまで手に入れなければならないのでしょうか?そして、そこで得た不正なお金は、本当に国に還元されていくのでしょうか?役人のエゴは排除しきることは可能なのでしょうか?
医療はヒトの生命に関わる分、巨額のお金が動くセクターです。そこでの市場を上手く操作し、一稼ぎしようと考える人が出てくるかも知れません。『笑い男』は、未来の医療が誤って進む可能性がある道筋を我々に示しています。そこから学ぶべきことは沢山ありますし、あるべきです。20歳を越えた大人の方々には、是非見ていただきたい作品です。

※攻殻機動隊シリーズの全体像については、また後日書かせていただきます。