2010年1月17日日曜日

世界の問題、あります。

ハイチで起きた地震でかなりの数の人が亡くなったようです。報道によると、死者は20万人以上にのぼるということ。ご冥福お祈りいたします。

海外で大きな事故や事件が起きると、決まって「この事件に日本人は巻き込まれていない模様です」という報道を耳にします。時々、「日本人の安否は確認された模様です。よかったですね。」と報道すると共に、隣の出演者に一言漏らしてしまうアナウンサーがいます。これ、大問題ですよね。倫理観がおかしいとしか言えません。

私が関わりあってきた人たちを鑑みると、「日本人は日本人のことしか考えられない」という傾向があります。自国さえよければ良い、他の国のことなんて考えている暇は無いし、考える気も起きない…といった考え方を持つ人が多いような気がします。例えば、世界的な問題である「貧困」について取り上げてみます。

日本では年収200万に達しない層を貧困層(ワーキングプアー)と名付けているようです。200万円以下の収入しかない人達には、生活保護が必要だという声も聞こえます。実際問題、国もいろいろと施策は考えているようではありますが、如何せん実行には二の足を踏むのが日本の政治スタイルであります。これは民主党でも自民党でも変わりないスタイルでしょう。

さて、実際200万円しか収入がなかった場合、どのような生活を強いられるのでしょうか?少し想像してみます。まずは一番大きな支出、家賃から。東京で生活していれば6万円は最低ラインとして確保したいところです。これに共益費5000円を算入して、一年間の支払額は78万円ですね。次に水道代、光熱費と回線費。全部合わせて2万円ぐらいでしょうか。一年間の支払は24万円。そして、生命の源である食費。一日1000円として、月に3万円、年間36万円の支出。最後に年金、保険、所得税と住民税。これが月に35千円として年間42万円。総支出は78242442=180万円です。独り身であればなんとかやっていけることがわかります。

では、海外の貧困の実情はどういったものなのか。数字上で貧困を語れば、ハイチはかなりの貧困国であるといえます。一方、ハイチは周囲を海に囲まれており、自給率はそれなりの数字を持っています。互いに協力し合えば、食べるものが全く無いという状況は回避できるとも考えられます。
これに比して、食べるものが全くなく、飢餓でいつ死んでもおかしくない状態にありながらも、旅移動を強いられる人たちもいます。これは、アフリカ諸国にみられます。民族争いなどの内紛で住居・社会を奪われた人々は、何を頼りに生きていけばいいのか途方にくれ、なんとか食べ物を確保できないかと隣国に向けて歩き出します。
民族内紛が起こる理由の一つに、人口増加があります。仲間を養い子孫を残すために、広い土地・多くの食料が必要となり、隣の民族を襲う。襲われ、敗れた民族はすむ場所・食料確保の術を失います。そして、飢餓のため多くの人が命を失う。

争いを避け、共存の道を選ぶ方法もあります。しかし、共存の道を選んだがために、絶対的な人の数と食糧確保の量が釣り合わず、結果としてより多くの飢餓が発生してしまうこともあります。

何より大切なことは、こういった争いの種を蒔いているのが、われわれ資本主義先進国が展開する経済のスタイルにあることです。一例を挙げると、穀物の先物取引でしょうか。小麦・とうもろこしを生産⇒先物市場での不可解な価格上昇⇒生産者の市場への出回り量抑制⇒さらなる価格の高騰という悪循環が発生します。そうすると、これまでは10円で賄うことができた食費が、20円になり、食を細くせざるを得なくなります。日本人のように支出に対する食費のウェイトが低ければ、何とか暮らしていけるでしょう。しかし、世界の貧困レベルでは、支出に対する食費のウェイトが80%以上なんてところが多数存在します。
明日はわが身、今日を何とか生き延びなければならない…そういう状況で今を生きている人がたくさんいます。

世界で問題にされているのは絶対的貧困です。それに対し、日本で議論に上がっているのは相対的貧困といえるのではないでしょうか。前者は、富者に対する貧者の叫び。後者は富者に対する貧者の愚痴。われわれが真摯に向き合わなければならないのはどちらの問題なのでしょうか。

※「一国の人々」ではなく「世界の人々」に焦点をあてる必要性を長々と述べてしまいました。勿論、日本で起こっている問題を解決することも大切なことです。日本が倒れてしまったら、世界各国への余波は凄まじいものでしょう。だけれども、もう少し世界に目を向けてほしい。特に次代の世界を築いていく若者には、主体的に視野を世界レベルまで広げてほしい。そして、それをサポートする大人たちがもっと沢山でてきてほしい。そうしないと、世界は一層苛酷な状況へ進まざるを得ません。
余談ですが、この地震を機にハイチで「環境モデル都市案」を実行してみるのもいいのではないでしょうか。最初は、生活に直結するところから初め(インフラの整備等)、次第に産業にまで手を広めていく。復興の先にある未来を見据えた政策を行えば、世界各国からの支援・賛同が得られるはずです。