仕事に追われる日々…僕が望んだ人生はこんなものだったのかなぁ。あぁ、学生時代へかえりたい…学生の皆様は、有意義な時をお過ごしくださいませ。時間は有限です。そして、平等でもあります。でも、どんなに自分の内で精一杯やったとしても必ず悔いは残るでしょう。もっとも、精一杯何かに打ち込んできた人のほうが、悔いが残っちゃうのかもしれませんけど…ちなみに、えびすは「のらりくらりの学生生活」に「悔いたっぷり」という、どうしようもない人間です。
さて、今日紹介する本はこちら。
「勝負に出る時には、ためらっていてはダメです。堂々とやってみるべきです。」本書は個人の自立を許さない大企業ではなく、そこから自立した個人が巣立つような、機動力のある小さな組織の経営論について、著者の経験・哲学を織り交ぜながら展開していく。
随所に現れる著者の言葉は含蓄に富み、経営に限らず広く社会・世界情勢を理解するのにも役立つ言葉ばかりである。その幾つかを紹介しよう。
「優秀な人だけを集めても、最良のものは出てこない。凹凸がある環境のほうが思いもがけない底力が出て、新しいモノができるときがある。」
「アイデアの欠片はいったんばらして必要なパーツを拾い出す。余計な要素をフィルターでろ過し、別の形に変えると新しいモノが生まれる。
「集団に溶け込むだけでは足らない、一人で考える時間が必要。そこで学ぶものの大きさは、ものすごい価値がある。」
最初の一文は、今後の世界経済を考えていく上でも、非常に重要な考え方である。一つの失敗も許さない、そんな風潮が築かれつつある現在の資本主義経済を再考・再構築しなければいけないと痛感させられる。次ぎの一文は、ベンヤミンの思想を思わせる。一を多に解体し、己の内で咀嚼し表現に替えていく。世間ではロジカルシンキングなるものが謡われているが、その実体は怪しい。多くの人は論理の裏にある背景を読みきれていないからだ。これならば、ある程度のアウトプットを積み上げていけば、統計的に答えが導かれるシステムを構築することができる。もはや人間の必要性はなくなり、すべてを機械に任せればよいことになろう。…われわれ人間にしかできないことを今一度再考しなければならない、そんな時代に位置している。最後の一文は、個人的に自身の今ある姿と照らし合わせて、大きな共感を覚えた一文である。集団でいるとどうしてもその色に染まらざるを得ない。それは、生きていくためには仕方の無いことであるのかもしれない。しかし、本当の自分は何をしたいのか?自分の理想と現実のギャップを考えるのは結構つらいことだ。不安もよぎるだろうし、葛藤もよぎる。だが、この考えること(苦悩と不安と葛藤etc)を若い内に実践しておくと、後々この経験が大きく役立つ場面が必ず現れるはずだ。毎日少しの時間、ほんの30分でもいいので、孤独にものごとを考え、どこにも転がっていない自分なりの答えを導き出す習慣を身につけておくことを勧める。
※著者の斉須さんはレストランのオーナー兼シェフを勤めております。自分の理想とする「経営スタイル」を築きつつ12年間のパリ生活を経て、機が熟するのを待って己の店を持つに至った経歴は、えびすの人生経験と照らし合わせながら読むとかなり共感するところがありました。将来、少数精鋭の会社を起業したいとお思いの方は是非一読くださいませ。まぁ普通の人生を送りたいなぁとお考えの方にも、少し異なる人生の見方を勉強できる良書であります。
