東京の再開発も一段落。恵比寿ガーデンプレイスに始まり、六本木ヒルズ、丸の内、表参道ヒルズ、東京ミッドタウンと街の革新が行われてきました。丸の内はまだ革新途中ですね。三菱一号館にはかなり期待しております。
これら再開発のランドマーク達は、それぞれ個性的な「街構造」を持っています。なかでも、六本木ヒルズは、色んな意味でこれまでの21世紀の日本社会に大きくコミットしてきました。個ではなく、総としての文化的役目(芸術と知識の尊重・啓蒙)。新しいライフスタイル(公私双方における新規の経済モデル)の発信。多様な背景をもつ知識人の集積場(地方はもとより世界中の人間が集まる)の提供。あたらしい「Japan image」の一角を造り上げた街です。
開館からはや7年が経過し、街としてもだいぶ落ち着きがあらわれ、次ぎのステージに入ろうかというところでしょうか。ステージとしては、これまでと同様に「知識・新規・創造」を主題とした街づくりの継続する一方、その主題の幅を広げつつ、深く潜るような形になるのではないでしょうか。
これをふまえて、今後の六本木ヒルズの方向性を考えてみます。えびすが注目しているのは「MORI ART CNTER」です。ここでは毎週様々なセミナーが開催されています。芸術の解説講座もあれば、経営手法に関する講座もあり、様々なニーズにこたえられる「知の習得場」を提供しています。ニーズへの対応は、分野だけではありません。無料の講座もあれば、高額な講座も用意し、自己投資を惜しまない顧客用の講座も設けています。
今はちょうど、「色んな分野を広く浅く」の時代の気化、「色んな分野を広く深く」学ぶことへの渇望の発露という、「知に対する向き合い方」が変遷過程にあるのではないかなと思います。では、その背景に何を読み取るか?今日、あまりにも多くの知識・情報がインターネット上に散乱しているため、知識・情報を収集することは誰しも等しく可能となりました。
大量の知識・情報を持っていても、そこに自分なりの考え・表現を埋めこむことができなければ周囲の人と同じレベルに留まらざるを得ません。もう一段上のクラスに進みたいと願う人たちにとっては、なんとももどかしい。この解決手段としては二つあります。一つ目は己の力で、大量の読書をおこない、それらの評論に基づく自論を構築すること。二つ目が、その分野のスペシャリスト、いわゆる「知の編集者」にお金で「綺麗に整った知・情報」を購入することです。
社会人にとって、前者を実行するのは結構難しい(勿論、職を選べば可能です)です。お金はあるけど時間が無い…けれども、自分のレベルを上げていきたい…けれども、時間が無い…ならば、手っ取り早く一般大衆には手がつけられない(つけようとしない)高価な「知識・情報」を買ってしまえば良い。無形財産に対する投資…それも、弁護士や会計士といった「手に職」に繋がらない無形財産への投資は、今後の10年で倍増するのではないでしょうか。
そのFirst Modelを我々に提供してくれたのが六本木ヒルズ「Art・Intelligent City(芸術と知の街)」。文化と経済、双方の未来を見据えたニーズを予見・抽出し、「街」を構築していく経営方針には、見習うべきところがあります。自分のビジネスだけでなく、人生にも有益なアウトプットをもたらしてくれるに違いありません。
※六本木ヒルズは僕の庭みたいなところでした。普段は学校という勉学の場で精を出し(それほど出していないのですが)、疲れた身体・能を自宅で休め、勉学とは違う刺激を求めて庭に遊びに出る。子供時代のライフサイクルを受け継いだ大人のライフサイクル。本質的なところは変わらないものです。