二月も半ばに入り、ずいぶん寒さが和らいできたのを肌に感じます。日中であればジャケットだけでも過ごせそうなほど。春が待ち遠しい…色んな意味での春がです。
さて、今日の一冊はこれ。
日本で「FREEなもの」というと、何を思い浮かべるであろうか?R25や住宅情報誌といった紙媒体のものを思い浮かべる人が大多数、その他の何かを思い浮かべることができる人は少数だろう。事実、日本ではFREEな商品・サービスはまだ少ない。無料という概念に対し、抵抗感をいだいているのか、はたまた、単に創造性が無いだけなのか理由は定かではないが、FREEの産業構築に関しては、まだ発展途上の一歩手前といったところである。
ところで、海外に目を向けると、FREEを上手くビジネスモデルに組み込んだ例がいくつもある。音楽配信・シェアリングサービス・書籍etc頭をひねれば、どこにでもFREEを導入することは可能であることをまざまざと実感させられるだろう。では、実際にどのようにしてFREEがなりたっているのか。医療分野の一例を以下に挙げておく。
A社は医療ソフトウェアをてがける企業だ。多くの病院・医者たちのネットワーク・エビデンスソリューションを収集・提供するビジネスモデルが特徴的であり、強みである。A社が利益を上げるためには、システムの導入による売上、もしくは、ある病院が他の病院のソリューションを買うことによる仲介収入を獲得する必要がある。前者による収入は一回限りであるが巨額なもの(500万円)、後者による収入は小額なもの(5000円/一件)だが、半恒久的に収入を得ることができるモデルである。通常ならば、システム導入による利益にすがりたくなる。なにせ、一時的とはいえそのキャッシュは大きいからだ。しかし、システム導入の金額が高いと病院側も二の足を踏み、結果としてシステム導入が広まらず、ソリューションも陳腐なものになってしまう。そこで、A社はシステムの導入に関しては無料とし、ソリューションの潜在ニーズを増やすことで収益をupさせるモデルを選択した。このビジネスモデルは、顧客が増えるほどデータベースが豊富になり、A社と顧客の間でwin-winの関係を築くことができる。
「通常のお金の流れを逆にする」…これこそ、FREEを成り立たせる秘訣である。多の会社がお金を取るところで、むしろお金を提供するくらいの考え方・戦略を立てられる人たちこそ、次代の起業家の多くを占めることになるのではないだろうか。とくに、労働賃金の高い先進国で、新たな事業を始めようとするなら、FREEベースのビジネスモデルを考える必要性はますます高まっていくだろう。
※さて、FREEを哲学的に考えてみるのも結構面白いです。根本までたどると「贈与」に行き着くのではないでしょうか?もっとも、それは、モースの言う「ポトラッチ」とは異なり、名誉・地位というよりは金銭の獲得・抽出に意識が傾いた「贈与」でありますけど。
また、FREEの戦略を練る上で、心理学・フィールドワーク・マーケティングの才能は、非常に重要なファクターであります。無から有を生み出すのは簡単なことではありません。
同じ様にFREEからBenefitを生み出すのも難しいことです。まぁ既存のモデルを盗用すれば簡単なのかもしれませんが…それじゃぁ面白くないですよね。
もし、FREEのビジネスモデルを思いついたら、是非すぐに実際のマーケットに放り投げて見ましょう。なにせ、FREEから始めているのですから失うものは何もありません。最も難しいのはビジネスモデルの構築、これさえ思いついたならば、あとは根気と気力と情熱があれば十分でしょう。Let’s build your company! No need to be afraid of your mistake, since your business would be able to start with no money! 新進気鋭な若者(頭の柔らかさという点で)達、是非FREEなビジネスを広範に広めてくださいませ。えびすはFREEの恩恵だけ頂くことにします。
