2010年4月2日金曜日

流れに身を任せつつ・・・

いよいよ新年度が始まりました。うーん、あんまり実感がないですけどねぇ。学生時代は、ピシッと折り目正しく新年度を迎えるステージが用意されていましたが、社会人になってからはそんなものは用意されておらず・・・「昨日となんら変わりない一日の始まり」・・・そんな感じがします。新入社員が配属されるまではこんな「年度越しのナーナーな日常」が続くものですかね。

さて、栄えある新年度の一発目はこちらを紹介。


2000.9.11・・・アメリカ同時多発テロ。マンハッタンのランドマークであった、ワールドトレードセンターにボーイング767が突き刺さる瞬間の映像は、今でも脳裏に焼きついている。もくもくと煙を上げるタワー・・・恐怖におびえ、わめき散らしている「地上の人たち」は多くのメディア、個人撮影のビデオ映像のうちにその姿が残っている。しかし、「タワーの中にいた人たち」の姿は残っていない。彼ら・彼女らは何を思いタワーが崩れ去る瞬間を迎えたのだろうか・・・

アメリカ軍による「アフガニスタン侵攻」は、このテロ行為が引き金となった。腸が煮えたぎった軍人たちが、次々とアフガニスタンに送られる。その軍人たちの中でも、厳しい訓練を乗り越えた「特殊部隊」に属する軍人は、一目置かれる存在だ。強靭な身体能力、強固な精神力、素早い状況判断力、仲間を思う結束力 etc・・・彼らの能力を持ってすれば、ハーバードのロースクールに入学し卒業することなど容易いことだろう。冗談抜きに、アメリカの特殊部隊は優秀な軍人で構成されている。

本書を綴った人物マーカスもまた、アメリカの特殊部隊SEALに属する軍人だ。幼少の頃から近所の退役軍人のオヤジに鍛えられ、無事SEALの厳しい選抜をパスしたマーカスはアフガニスタンに派兵される。任務は、アルカイダの最重要人物の一人、ベン・シャーマックの暗殺だ。

ついに作戦を実行することになったマーカスの小隊(4人)は、情報を元にシャーマックの身元を推察し、タリバン兵に見つからないよう細心の注意を払いながらアフガンの渓谷へと身を落としていく。1時間で進んだ距離はわずかに0.5マイル足らず・・・厳しい体制で、谷に身を隠す・・・ライフル、救急セット、弾薬の束が彼らの体力をみるみる奪っていく。

彼らの悲劇は、あるアフガニスタン人の農民と遭遇した時に始まった。タリバンのスパイかもしれない彼らをどうすべきか・・・殺すか?しかし、殺したら俺たちは刑務所行きとなるかもしれない。殺さず逃がすか?いや、それはリスクが高すぎる。スパイだったとしたら自分たちの命を落としかねない・・・

結局、彼らは農民を逃がす決断を下す。そして、不安的中。2時間後に150人近いタリバン兵が、彼らの首を狙って、渓谷をうろつき始めた・・・

書き出すときりがなくなるのでここら辺でとめておこう。マーカスの属する小隊とタリバン兵との決死の戦いが、臨場感たっぷりに綴られている箇所は是非とも生の文章で読まれたい。また、本書から読み取ることができる「訓示」は、多数あろう。一度ならず二度、三度と読みたくなる作品である。

※まず、アメリカを「正」として本書が書かれている点付記しておきます。アメリカ=正という画一的な見方を許容できない人は読むべきではないでしょう・・・でも、少し我慢して読んでほしいのが僕の心の声。戦闘の前線にいるアメリカ軍人の危険を鑑みると、安全な場所から「軍人の非道」を非難するメディアや、それを煽る団体の態度に対し、疑問を呈する気持ちが芽生えてきます。うーん、とはいえ、人を殺めることには賛成できない・・・双方の間を上手くとる方策を出せといわれても難しく、なんとも答えの出ない問題であります。