2010年4月4日日曜日

日本の未来を考える志士達とのdiscussion

今日は心待ちにしていたdiscussion大会に参加してまいりました。いやーすごかった。日本は広いですねぇ。これだけ意識が高い人たちがこんなにもいたとは。彼ら・彼女らと接していると、もの凄くエネルギーを奪われます…が、同時にもの凄いエネルギーを貰うのですけど。前日3時間の睡眠時間でも、睡魔にも教われる事無く(仕事ではいつも襲われるのですが…)discussionに終始集中して取り組めたのは、周囲の方々の「熱い思い」のおかげであります。感謝、感謝、感謝。

さて、本題に入りましょう。大きな議題として、「日本の成長戦略を考える」、それを4つのテーマに分けて、さらに1つのテーマに対し3~4チームに分かれてdiscussionしていきます。議題は「対外発信力」「福祉力」「働き力」「環境力」。今回僕が議論させていただいたJグループでは「日本が成長するための働き力、個人が成長するための働き力」について議論させていただきました。内容を全部記すと、相当な量になっちゃいますので、<簡単な議論のフロー>とそこで出てきた<皆様の意見>を紹介いたします…少し僕の批評交じりで()

まず、日本が成長するための働き力として最も大切なものは何かについて。ふたを開けてみると、ファシリテーターが危惧していた通り結構意見が分散しましたね。日本の「何」を成長させるのか…僕を含めて、みんな自分が属する官庁や企業の問題点を背景に案を出していたように思います。多数の意見が出た中でも(個人的にですが)、官庁の方々から出された「組織をマネジメントすることができる人財(若手)を育成する必要性」という意見に共感を覚えました。近未来の民間企業を考えるにあたっても、この点は重要な問題です。とりわけ、ベンチャー企業の創出を考えるにあたり、経営層のマネジメント能力をどこで身につけさせるのかといった点については、まだまだ議論が進んでおらず、かつ喫緊に考えなければならない問題でありましょう。勿論、大企業においても重要なことでもあります。

次に、個人が成長するための働き力として大切なものは何かについて。こちらは結構似たような意見が多数あったように思います。なかには「あくせく働かない」という意見もありました。うーん、これが達成できる社会基盤があれば何よりなんですけどねぇ。ワークライフバランス…いや、ライフワークバランスを今一度見直す必要性はいろんなところで謡われております。ただ、それを行うためになすべき事、それに対する壁の高さが尋常でなく高い…。たとえ崩すとしても、崩した時にどんな弊害が生まれるのか…難しい、巷で言われる<とけない問題>であります。あ、全体の総意としては「モチベーションを高く持つ」という意見が多かったです。これについては皆様のご存知の通りなので、ここで説明は省きますね。

全体を総括すると以下の通りとなりました。
戦後のモチベーションの高さ(上を目指す目標が明確だった)→爆発的な経済成長とそれに伴う自らが築いてきたマニュアルへの自信→後世代にも昔と同一のマニュアルを強要→一方的な押し付けによるワークシステムの疲弊(若手が抱く「仕事ってなんだろ」感)…
この現状をふまえてQ.未来の日本の働き力を考えるにあたり、今築いておかなければならない必要なことは何か。A.イノベーションを起こすことができる基盤を築くこと。そのために必要な項目として「新しいことに積極的に挑戦できる風土」「個々人の自主性」「世代間ごとのリーダーシップ」「社会のVision改革」が挙がりました。また、主体的に未来を考える人たちの裏には既存の組織でもいいじゃないかという意見も多数あり、彼らの意見も尊重しなければならない。
具体的な解決策の提示までには至れませんでしたが、自論・他論の認識共有は達成されたことを鑑みれば、僕達のグループのdiscussionはかなり成功したもの(cross over21の方針に照らして)でありましょう。

最後に今回のdiscussionとは少し距離を置いて自論を述べさせていただきます。造業のもとで働く身として色々な意見を出させていただいたのですが、僕が最も危惧しているのは、「中国とインドの経済成長が日本にもたらすもの」について。今まで、日本はものつくり大国として世界No.1の地位を築いてきたわけでありますが、今後の10年を考えた時、果たしてNo.1であり続けることができるのでしょうか。僕の答えはNo!…確かに、品質のよさという面に絞れば世界No.1の地位を維持できるでしょう…が、ものつくりは何も品質のよさだけではかるべきものではありません。きちんと「もの」として購入してもらわないと、作ったものは「ごみ以下の価値(作るまでの人件費・工程費を考えたとき)」しかもたない。利益を獲得しなければならない株式会社にあっては、「もの」を買ってもらうためにコストを下げなければならない。コストを下げるためには、安い人件費でものを作らなければいけない…そうなると日本では「やってらんねぇ」となるのは自明でありましょう。最初は<海外に工場を新設>からはじまるでしょう。そして、しばらくして、「安い人件費」という甘い汁を吸った企業は、日本の工場をどんどん閉鎖していく…いや、グローバルの競走にあってはそうせざるを得ない状況がやってくるはずです。そうなると、日本の雇用はがくんと下がる。そうすると…失業者が増加→彼らを保護→多額の税金の投入→財政の圧迫といったサイクルが起きる。一過性の失業者の増加ならば凌げるかもしれませんが、ここで考えるべきは恒常的な失業者の存在です。では、彼らが国家に何をもたらすのか…年間に1000万人の失業者(失業率15%)が出るとし、そのうちの20%(200万人)が失業手当を受給するとします。現状では、50万人に対して2兆円くらいの財源が当てられているとして、8兆円必要となる。加えて失業者からの税収がなくなることを考えると、この8兆円という数字は、現行の保険制度を鑑みると厳しい値・・・。増税、保険料の引き上げ、無駄の排除 etc…なすべきことはたくさんあるでしょうけど、それに伴い生まれる「歪み」も考えなければいけません。
額がかなり大きいため難しい問題ではありますが、「解決策」とまでいかなくとも、「改善案」程度は考えておくべき問題でもありましょう。

2次会の席でお話させていただいた方と議論に上がったのですが…「民の中でも、経営者と従業員では企業の方針・存続に対する考え方が全く違う」と仰っていました。確かに、今回のdiscussionの「民」メンバーもお一人を除いて、みんな何らかの組織に属する方でしたね。次回は経営者も多数呼び込むことができるよう、提案させていただきたく思います…難しいでしょうけどよろしくお願いいたします。