週末は久しぶりに丸の内へ。目的は三菱一号館の内装鑑賞だだったのですが・・・込みすぎで断念いたしました。かわりに、友人を呼び出し、美術館併設のカフェでおしゃべり三昧。ランチタイムに長居するという、お店としては迷惑な客になってしまいました…すいません。
さて、今日は前日にみた映画を一本ご紹介。

初の3D映画体験であった。なるほど、多くの鑑賞者が称賛する理由がよく理解できた。こういった新しい体験をすると、何か無意識下でうごめいていた(これは、日々の生活の中で感じ取っている3D映像から生み出されたもの。)ものが、表層に露出してきたかのような印象を受ける。それにしても、3Dで作品を創り上げることができるようになったこと(これまでもあったが、映画レベルではAVATERが初)は、《作品としての芸術を解釈すること》に非常に面白い・新奇な視点を取り込むことができそうだ。3Dで仕上げること、そこに監督はどんなメッセージを埋め込んでいるのか。
作品についても簡単に言及しておく。まずは現実世界のアリスの苦悩から物語は始まる。自信、不思議の国のアリスの断片しか読んだことがなかったため、かなり新鮮に感じ取れた。有能な貿易商人であった父をなくし、母親と二人で生活していく。しかし、将来w考えるとどうしても心細い。そこで、母親の意向に従い、貴族との結婚を打診される。勿論、アリスにはその気はない。
アリスはパーティーの席で、アリスにしか見えないウサギに誘われるように、林の中に舞い込んでいく。それはおそらく、アリスの願望から来るものであったのだろう。その場を立ち去りたいという願望から…。林の中で、アリスは巨木の根本に大きなHallを見つける。真っ暗な穴の中。覗き込むアリスは体勢を崩し、穴の中へ(夢の世界へ)落ちていく。深い穴の底にある世界、それはアリスが描く夢の世界、幼少の頃から夢の中で見つづけてきた世界であった。
アリスの夢の世界で象徴的だったのが、「アリスは強い」というレッテルを貼られていたことだ。夢の中での自己顕示欲…裏を返せば現実の世界では、その強さを表に出しきれていないことを意味する。(潜在的には、強さは持っている・持ちたいという思いがある・・)
さて、物語が進むにつれて、アリスは自分の強さに目覚めていく。周囲の奇妙な仲間たちに促されつつ、数々の困難な局面に立ち向かっては、それを乗り越えていく。この経験を経て、彼女は自分の内に「困難なことも乗り越えられる自信」を見出すことができたのだろう。夢の世界の最後、ハッターが「ここに残ればいい」と言ったが、アリスは「・・・行かなくちゃ。」と答えていた場面が、それをものがたる。
夢の世界で獲得した自信は、現実の世界に引き継がれる。結婚を断り、自分の信念に従い、己の世界を広げていく決意をしたアリス。消極的・受動的性格から、積極的・行動的性格への変化。幼少のころから夢の中に描き続けてきた世界へ、アリスが舞い戻ることはない。もっとも、「一つのかけがえのない記憶」として、彼女の心に刻み込まれているのは間違いないだろう。
※それにしても、アンハサゥエイの目と口の大きさには驚かされました。あと、終盤でハッターが踊りを一つ見せてくれるのですが、あれの必要性は何んでしょうか?これは考察する価値がありそう(ダンスをすること・奇形なダンスであること・現実の世界では、アリスはダンスに全く興味を示さなかったことetc)。 年をとってから、芸術作品に接すると、本当にいろいろな発見があります。なまじ、奇麗事のように聞こえるかもしれませんが、その奇麗事こそ、我われが生きていくうえでの糧になっているような気がしてなりません。さてさて、あとはこの思いを次世代へどう伝えていくか…そこが問題です。