2010年5月8日土曜日

お金と情報と言葉

世の中にはたくさんの無料ブログがあります。そして、その質は年々上がってきているように感じます。ある程度の質を保証できるほどになれば、堀江さんのように有料化するのも一つの方法(ちなみに堀江さんはメール形態で配信しています)。コンテンツの根幹であるプラットフォーム(ネタのフレームと掘り下げ具合)に付加価値をおくことができれば、それなりに読者は集まるのではないでしょうか。前提として、αブロガーレベルにならないといけませんけどね。そっちのほうがハードル高いかもしれません。

「情報の有料化と無料化どちらに軍配があがるか」といった質問は愚直でしょう。どちらかに偏るのではなく、互いのフィールドを隅分けていく方向性をとるのではないでしょうか。無料の情報の多くは一次情報の性質を持ちます。一次情報の価値は「いかに多くの大衆に開示することができるか」に置かれています。あまり深い知識は必要なく(いや、むしろ邪魔者ぐらいの考え)、ただ、レスポンスよく情報を垂れ流すだけ、それが求められている。まぁ、やる気と体力さえあれば、誰でもできるようなこと(もっとも、巷に溢れている無料ブログの中には、かなりレベルの高いものもたくさんあります)です。身近な例で言うと、Yahooのトピックス一覧レベルがこれにあたるかと思います。

新聞は一次情報の流布を目的に始まりました。ふるくは「瓦版」と呼ばれ、広く大衆の「はなしの種、娯楽」になっていたようです。これは今でも変わりません(と信じたいところ・・・)し、今後も変わらないでしょう。収入モデルも、広告料金を基軸とする方向性に変化はおきないはずです。恒常的に広告料金が見込まれるのならば、新聞はタダで配布することができるはずです。ここ5年ぐらいで急速な伸びを見せたFree Paperを鑑みると良く理解できます。Freeで情報を提供する分、違うところでお金を貰わないと、企業として廻っていかないのは当たり前です。消費者もこぞってFreeな情報にアクセスする

しかし、そのトレンドが少し変わりつつあります。上に挙げた堀江さんの有料メールサービスに代表される、情報の有料化への流れが少しずつ起こり始めています。一例を挙げると、日経Netが3月の終わりから有料となった(一ヶ月のお試し期間あり)のは周知の通りかと思います。この背景には、紙媒体の発行部数の減少をNet広告で賄えない・・・といった理由ではなく、情報を有料化するとして、どれほどの収入が見込めるのかを見極める目的があるのではないかと僕は考えます。なにせ、有料化によって収入見込みが減少するようであれば、昔のように情報の無料提供に戻ればいいのですから。

では、なぜ日経はこのような見極めを試みたのか?推測の域ですが、おそらく日経は従来の一次情報提供モデルでは、今後5年も経つと経営が成り立たなくなると想定・危惧しているのではないでしょうか?なぜ経営が成り立たなくなるのか?それこそ、TwitterとUstreamの流れを考えれば、すぐわかるかと思います。誰しもが、「発信源」となれる素地ができてしまった以上、この流れが加速するのは間違いないでしょう。そもそも、人間は自分が「新しく知ったこと」を誰かに話したくなる生き物ですから。いわば一億総ジャーナリスト時代。最新の情報は幾つかの《発信局:ハブ》を主体として発信される。このような大きな流れを作る契機として、、既存の記者クラブの崩壊があるかと思います。もし、この聖域を崩すようなことがあれば、雪崩のごとく、様々なフィールドで《ハブ》が生まれることになるでしょう。この流れは、TV等メディア業界にも当てはまることであります。

ただ、懸念するべき点もたくさんあります。発信者側には、有料化ゆえの情報操作のしやすさ(逆説的ではありいますがそうなってしまう)。受信者側には、有料情報への過度の信頼を招くことは間違いないでしょう。悪意をもった情報を見極める能力を今の内に身につけておかないと、ポスト全体主義の一員となりかねません。

※すべてを有料にするのではなく、無料の情報も同時に提供することも上手い戦略であります。情報の付加価値の程度を上手くコントロールする(堀江さんの場合もブログとTwitterで上手く読者数を増やしていると思います。なにより有料情報が本当に価値があるモノであると多くの人が認めている点、やはり彼は天才です)ことも、今後の情報の有料化社会を考えると必須のスキルとなります。これは、有料の情報でお金を稼ごうと思っている人だけに当てはまることではありません。非営利であっても、発信したい情報を上手くコントロールすることはとても大切です。お金ではない形で、多くの人から付加価値を認めてもらえること、そのとき、発信者と受信者の間で大きな《絆・力》が生まれるのではないでしょうか。情報の質を握るのは個々の言葉であります。今一度、自身の言葉磨きに励む必要性を感じます・・・はぁ、本当に言葉は難しいですねぇ・・・。