さて、素晴らしい仲間に恵まれておりながら、自身はなかなか素晴らしい人間になれないことに葛藤しているえびすが紹介する本はこちら。
以前に紹介した「Drive」、その内容をマーケティングに適応させたものと考えていただけるとよい。DriveのBody wordであるMotivationをそのままMarketingに変え、従業員や生徒の動機付けではなく市場の変化・利益創出にターゲットを置いたのが本書である。
題名にMarketing 3.0(以下M3)とあるように、Marketingも進化を遂げてきた。Marketing 1.0(M1)はproduct-centric(製品主体)、Marketing 2.0(M2)はconsumer-centric(消費者主体)、そしてM3はhuman-centric(人間主体)に戦略の核を置いている。M2とM3は区別が付きにくいかもしれない。簡潔に説明すると、「皆が買うから私も買う」「あの女優がでている香水、いいよ~」「期間限定だって!早く買わないと!」といった消費者心理を上手くマーケティング戦略に組み込んだのがM2であり、M3は「このツールを使えば、もっと多くの人と繋がれるのかぁ」「へぇーこの商品を使えば、心が安らぐのかぁ」といったより人間の本質に直結したニーズに合わせて戦略を組み立てていく。
モノ自体がまだそれほどたくさん生み出されていない時代(産業革命直後から第二次世界大戦後辺りまで)は、M1にあるような「モノを所有するための消費」に重点が置かれ、時の経過とともに同じ部類のモノに「格差」をつけてM2にみられる「モノを比較するための消費」に市場のinitiativeが移行し(戦後からソ連解体辺りまで)、モノが溢れかえった現在にあっては、M3すなわち「自分自身の心を満足するための消費」の市場が成長しつつある。
人々は以前にもまして周囲の人々(勿論、インターネットを介した人も含む)に知的関心を抱き、社会に還元しようという気運が高まっている。裏を返せば、個人で成せること・生きていくことの寂しさ・限界・無意味さに多くの人が直面しているとも捉えられる。人々が求めているもの、それは「Link=絆」だ。「絆」を考える上で重要となってくる要素、それはShared valueとCommon Behaviorだ。価値観を共有すること、共通の何かを見出すこと、この二つの要素が「絆」の核すなわちM3の土台を構成している。
「利害」関係にある人をまとめて「stake holder=ステークホルダー」とよぶ。M2までは、市場で商品が売れるにあたって、自身の「利」と他者の「害」が生み出されてきた。それらは物質的な形を伴って現れたり、精神的な面に現れたりしてきた。しかし、M3にあってはおよそ「害」は限りなく小さくなっていくだろう。
今、我々はより「人間的な(As human being)」進化を遂げ始めているのかもしれない・・・「動物的な・排他的な利益追求」から、共同体・国家・人類の枠を超えた「地球規模の利益追求」へだ。
※ふむ、Driveと合わせて読まれると相乗効果があると思われます。両書に一意するのは、人々の関心・目標が相対的満足から絶対的満足へと移行しつつあるということ。他者あっての自己であること、そこへ帰還する傾向が多くの人の心に芽生え始めているということ・・・なんか哲学チックですいません。ちなみに、哲学の書籍の中には「心の琴線」に触れるフレーズがたくさんありますので是非あさってみてくださいませ。様々な場面で役立つこと間違いありません。





