iPadとネットブック両方を使って色々な情報を収集・整理・まとめること・・・このスタイルは結構使えます。タッチパネルで感覚的にかつ効率よく情報を集め、ネットブックでマルチタスクをとりながら整理し、まとめるという作業は思っていた以上に高効率です。これこそ僕が求めていたノマドスタイル!な気がします。まだ進化するかもしれませんけどね。
また、アプリケーションでiPadにネットブックのディスプレイを連動させることも可能です(使い勝手はイマイチらしいですが)。購入後に様々な機能を簡単に・感覚的に拡張できるプラットフォームを築いたApple・・・既存技術を上手く利用するという点では、日本の名だたる企業を頭二つ分くらい飛び越しちゃっていますね。もっとも、昔は日本のほうがその面は得意だったはずなのですけど。
さて、iPadの有効な活用方法にすっかり興奮してしまい、無意味なネットサーフィンに陥り、もったいない時間の過ごし方をしているえびすが紹介する本はこちら。
「六本木ヒルズ」・・・複合施設という敷居を飛び越え、一つの「街」空間を作り上げた日本でも稀有な場所。文化施設、スーパーマーケット、公園、カフェ・レストランetc...およそ我々が生活を送る上で+αとして望むであろうもの(友人とのおしゃべりの場、一人になれる空間、カルチャースクールetc.)は、ほぼすべてこの街中に備わっている。
本書でとりわけ私の興味をひきつけたのは、著者の都市にかける熱い思いとアークヒルズ・六本木ヒルズを着工にこぎつけるまでになされた住民との長く厳しい「対話」だ。
著者が思い描く理想の都市(都市という括りよりは生活空間といったほうが適しているだろう)のモデルは、ル・コルビュジエの「垂直都市」にあるようだ。垂直型の生活空間がもたらす利得は計り知れないものがある。都心にマンションがなかったらどうなるかを想像していただければよくわかるだろう・・・都市に仕事場がある人たちは居住空間を構えるために一軒家を借りなければならない。しかし、東京で働く人々をカバーするにあたり、一軒家の供給量は需要量を遥かに下回る。そうすると、一軒家の家賃は高くなり、人々は都市からはなれ、郊外から通勤せざるを得なくなる。それにともない、家族との共有時間が減少し、通勤で疲れ果て、すさんだ人生をおくることとなりかねない。では、一軒家ではなく垂直型の都市空間をつくり上げるとどうなるだろうか。居住・オフィスの供給量が増えることにより賃料が下落し、より生活空間を都市の内に築きやすくなる。高い賃料に怯えることなく、安定した生活を送ることで、心・身体のゆとりがあらわれ、人と人の関係もよりよいものになっていく。そして、人と人との関係が深まることで、従来とは異なる「より住みやすい空間」が築かれていくことだろう。
再開発をするにあたり、国の法律ではある一定以上の人数の地域賛同者を集めれば、残りの人は強制退去させることができる。しかし、著者は強制退去による街づくりには断固として反対の立場をとる。あくまでも、全てのステークホルダーが納得した上で再開発をすること、そうでなければ「良い街」など創れるはずがない。著者の強い信念は、そのままヒルズができるまでの歴史を辿ることで用意に汲み取ることができよう。10年以上も断固とした信念を持ち続けられるその精神力には感嘆するばかりである。
※そういえばオープニングの時に展望台の一つ上の階で、六本木ヒルズができるまでの簡単な歴史を紹介していました。一番時間がかかるのはビルを建てることだろうと思っていた当時の僕にとって、そこに記載されていた再開発の経緯はとても新鮮でした。苦節16年の結晶の賜物であるから!という単純な理由ではなく、その16年のうち8割近くを住民との対話に費やしてきたことに感銘を受けたのであります。強い信念を持つことの大切さを学ばせていただいたことに感謝です。
