2010年8月11日水曜日

マーケットの可能性

さて、八月も中旬に入っていく今日この頃、ぎらぎら太陽はまだまだ元気一杯で困ったものです。ほんの10分歩くだけで、汗腺から水分がでるわでるわ…この状態で電車に乗るものだから汗が冷え、寒いわ寒いわ…この繰り返しを経て、体調を壊すのでしょう。快適な環境を求めすぎた結果、かえって身体を壊しやすくなってしまっては本末転倒ですね。自然治癒力を高める生活にシフトせねば。まずは、手短に扇風機をつけて寝る癖をやめてみます…もっとも、寝付けなくて睡眠不足になり、体調を壊す可能性大なわけでありますが。

さて、おいらの身体は丈夫だい!と自惚れ、おなか丸出しで扇風機をつけたまま昼寝し、体調を崩し気味なアホ男子えびすが紹介する本はこちら。
商品の詳細

「GDP伸び率1%、日本経済の危機」「市場は中国へ移行…日本企業ますます厳しい局面へ」メディアが流す情報をそのまま受け流し、日本経済が危機にあると口にする人は多数いる。しばしばコメンテーターが、誤った経済政策をさもありなんといった感じで声高にスクリーンの中で語り、我われ一般人は成る程と納得してしまう。指数がどのように抽出され、どういった意味合いを持つのかしっかりと把握していないにも関わらず、「偉い方がおっしゃっていることだから間違いない」と勝手に決め付けてしまう、そんなやっかいな癖を持っている人がなんと多いことか。

本書はそんな経済指標の示す意味、実体経済ではどのような変化が起こっているのかを詳細なデータとともに紹介している。いかに我われが誤った認識をもっていたのか、どうすれば日本経済の未来は明るくなるかについて、こ難しい経済用語を使わず、懇切丁寧にわかりやすく説明してくれる。なお、デフレについてはそれほど述べられていない点付記しておく。

日本経済の停滞の原因、それはずばり人口構成にある。生産年齢人口の減少と高齢者の増加こそが、日本経済を駄目にした主要因であると本書は論じる。簡単に言うと、若かりしころは消費欲に溢れていた世代が歳をとり、消費欲が減退したおじいちゃん・おばあちゃんの増加に伴い、行き場をなくしたお金が金融商品などに回って需給サイクルが崩れたことに大きな原因がある。生産年齢人口の減少が引き起こす慢性的な需要過多こそ、日本経済の停滞を招いている「諸悪の根源」というわけである。

今後の日本経済を鑑みるに、上述の生産年齢人口を増加に転じさせるのは半世紀は無理であるのはわかっている(過去30年の出世者数は2を割っている)。では、どうすればよいのか?簡単なことだ、老人の消費欲をそそる商品で世の中を溢れさせればいい。もっとも、このままいっても福祉・健康サービス分野は順調に成長していくだろう。ただ、上手い戦略をとれば、一層の成長が見込める。民と官が連携し、一つの巨大産業に育て上げれば、海外への展開もみえてこよう。そうなると、更なる利益を見込むことが出来よう。

しかし、高齢者の市場ばかりを育ててもだめである。如何せんバランスが悪すぎる。ではどの市場を伸ばせばいいのだろうか?「モノつくり大国日本」の名が示すように、モノを売って利益を稼ぐ市場を伸ばせばいい…が、そのときに注意すべきは、大量生産品ではなく、高級嗜好品市場を伸ばすということだ。狭い領土と高い人件費を抱える日本国が見習うべきは、アメリカ型の生産スタイルではなく、スイスに見られるような「付加価値の高い製品」を生み出していくスタイルだ。戦後は戦争の特需とアメリカという大きな市場に助けられ、高度経済成長を達成することが出来たが、それも高止まりになってしまった。そして、中国とインドという超巨大国家がもの凄いスピードでアメリカ型の大量生産スタイルに移行している事実を鑑みると、日本産業が今後とるべき戦略は大量生産型ではなく、高付加価値型のモノつくりスタイルに移行することであるのは一目瞭然だろう。

もう一つ日本が利益を伸ばせる市場がある。それは観光市場だ。世界各国の国際観光収入と比較しても日本は28位(1兆円程度)と経済大国としては下位に位置している。人口一人当たりで換算すればそれはそれは残念な数字になってしまう。しかし、日本のもつ、観光市場のポテンシャルは非常に大きい。国土こそ狭いが、多様な伝統文化とおもてなしの精神、世界最大都市東京を有することを鑑みれば、日本の観光市場が世界トップクラスの魅力を放つ素地は十分にある。必要なのは、国と民が一丸となってこの市場を伸ばそう・成長させようという「強い意志」。これさえ芽生えれば、日本の観光収入は2、3段伸びるに違いない…と私は個人的に思うのだが。

※読後感想ですが、タイトルのデフレ云々は影を潜め、日本の成長戦略にスポットライトを当てて書かれていたように感じました。「一昔前の「モノつくり大国」に固執することになれば、今後一層厳しい局面を迎えるだろう」という点、「日本の産業はスイスやイタリアのようなブランド力の強い企業を育てていく戦略をとるべきだ」という点、大変共感致しました。マーケットの成長の鍵を握るのは、過去の栄光にしがみつくのではなく新たな道を切り開くこと…本書は起業を考えている人に大変参考になる書籍だと思います。是非購読あれ。