2010年8月1日日曜日

女性を制するものは世界を制す。

先日、電車の中から興味深い光景を目の当たりにしました。それは「水の柱」、俗に言うゲリラ豪雨のことであります。半径500mほどの水の柱の内では、1時間に50mmを超える雨量を記録するとか。年間雨量が2000mm弱の東京にあっては、ほんの1時間で年間雨量の1/40に達してしまうのですから…東京のようにアスファルトが多い地域ではプチ洪水状態がいたる所で発生し、交通機関の麻痺を引き起こすことか。でも、経済的損失以上に、河川の増水による死亡事故等の発生こそ憂慮すべきでありましょう。それほど時化ていないことに安心し、もたついている間にも水は物凄い速さで増水、ついには逃げ遅れてしまうという悲惨な事故であります。東京の河川は上流が西に位置するため、上流でゲリラ豪雨が発生していても、下流では肌にわずかに感じ取れるくらいの小雨程度といった状況がままあるとか。「まだ大丈夫」が命取り、本能的に何かを感じ取ったときは、早めの決断・行動が吉であります。

さて、本能的な嗅覚を養うために、山篭りでもしようかと真剣に悩んでいるえびすが紹介する本はこちら。
商品の詳細

世界の消費の64%は女性が支配している…確かに、モノを購入する意思決定に至るまでの過程を振り返ってみると、妻や恋人の意見が強く反映されている場合が多い。特に、子供を持った家庭まらば、妻の意見は絶対意見に格上げされることしばしばである。

マーケットの拡大はどこにある?この質問に対し多くの人が返す答えは次のようなものだ。…「中国やインド、ブラジルの勢いが凄い。彼らの成長が我々の市場拡大に直結する。今後の先進国での売り上げはよくて横ばい程度に留まると考えている。企業の成長を考えると、先にあげたような新興国のマーケットに、頼るしかないだろう」…
このように、世間一般では新興国やBRICsといったカテゴリーでマーケットの拡大をとらえている傾向にある。たしかに、その著しい経済成長率を目の当たりにするとそうなってしまうのも無理はない。また、人口の数が多い分、それだけマーケットが急拡大する期待も抱きやすい。
しかし、この分析はあくまでも「国の成長」に沿った軸でしかとらえていない。雇用の創出により、多くの人が資金的に豊かな経済状況を手にする。お金の余裕が出てくると、これまでは眺めていただけの製品を、我が手中に収めることができるようになってくる。かくして、マーケットが拡大していくといった「大きな枠組み」でしかマーケットをとらえていない。そして、先進国のマーケット変化・拡大については、目をむけていないのが現状である。

上述の前置きを踏まえて、本書がターゲットとする「ウーマン・エコノミー=女性がつくる市場」を読むと面白さは倍増するはずだ。内容としては、新興国のマーケットの拡大に加え、先進国のマーケットがどのように推移するのかをとらえつつ、「女性のニーズ」はまだまだ汲み取れきれていない点に注目し、「女性マーケットの拡大」について、統計結果といくつかのグローバル企業の成功例を引き合いにだし、その可能性を分析していくものだ。具体的には、まずはじめに「女性の社会進出・重要なポジション獲得の増加」+「家庭収入を増やすこと」に着眼点を置き、どういったタイプの女性消費家がいるのか(6タイプ)を分析する。そして、各々の消費家のニーズは何であるかを洗い出し、彼女たちが求める商品・サービスの具体的な像を作り上げていく。

様々なデータを元に分析し浮かび上がってきた像、そのいくつかを紹介する。
まず【悩み】について。どのタイプの女性消費家も直面している悩み、それは「仕事と家庭の両立」「優先順位をつける難しさ」「自分の時間がない」である。悩み=ニーズであり、裏を返せばまだまだ汲み取りきれていないニーズがたくさんあるということだ。それは、新興国だけでなく先進国にも当てはまることで、マーケットの創出=利益の創出につなげることができる。
次に【性質】について。女性は総じて「他の人の利益」「人とのつながり」「社会貢献」につながる商品・サービスに対し、好感度を抱く傾向がある。母性本能から来るものかはわからないが、よりよいコミュニティを築くことが、人生の優先順位のうちでも高位に位置しているものと考えられる。

本書は、ターゲットを女性に限定していることが功を奏し、企業がとるべき戦略の方向性・女性マーケットの今後の展望について非常にわかりやすくかかれている。また、随所に成功事例を紹介してくれていることもあり、自分で新しいマーケット戦略を立てる際にも参考にできる点がたくさんあるのは間違いない。また、今後の日本が歩むべき道・戦略の一つとして女性マーケットを鑑みると、まだまだ日本独自(文化や人柄)のポテンシャルを活かすことができる場はたくさんあることに気がつくことであろう。

※今後、女性をターゲットとした商品・サービスは一層増えてくるのは間違いないでしょう。そこで、いかに差別化できる強みを商品・サービスに埋め込むことができるか。面白い趣味や経歴、長年続けていることなんかは、結構大きな強みになったりします。まだ、女性にターゲットを絞った商品を創っていない企業こそ、一層の発展の可能性を秘めております。ふむ、国を挙げて女性にターゲットを絞った産業を築ければ、あたらしいかたちの「ものつくり」大国をきずくことができるのではないかな?と思う今日この頃であります。