2010年8月24日火曜日

己を鍛えよ、未来のために。

明後日に迫ったサンデル教授の生講義に向けて、Justice a Readerを読み込んでいるのですが…これは難しい。一般的に、講義内容は教本を噛み砕いたものだと言われてますが、このギャップは結構なものです。ただ、この本一冊を読み込めば、政治哲学に関する相当な知識は吸収できるかと思います・・・読み込むのに最低でも一週間はかかりそうですけど。各章で反証事項・内容分析等、かなり詳しく記載されているのは、流石はハーバードの教授だなぁと感じました。日本の大学からも、このレベルの教本がバンバン出てくると教育界も大きく変わるんじゃないかな。ふむ、どこかの偉大な海外教授の思想・考えをそのまま「借りてくる」のではなく、日本の文化背景に合わせつつ「独自に組み立てていく」先生がたくさん現れるといいですねぇ。

さて、言うは安し、するは難しをよく実感知っているにもかかわらず、小生意気な考えばかり表に出してみんなから顰蹙ばかりかっているえびすが紹介するのはこちらの書籍。

商品の詳細

一流と聞くと、その道の大御所を想像してしまうものだ。建築界といえば安藤忠雄、服飾界ならガリアーノ、芸術家ときたらクロード・モネといった感じだろう。みな、輝かしい何かを残した人たちばかりである。しかし、本書が取り上げる一流たちには、それほど輝かしいものを残している人がいないのも事実だ。愚直に、自分の道を信じて進み、「今現在も修行中」という人が多い。

新しい一歩を踏み出す時に、一流の人たちはどういった心境を持ち合わせていたのだろうか?本書を読み終えて感じえたことは、どの人も「自分を信じる」ことを放棄していないということだ。20代が修行時代と考える人もいれば30代も修行時代だと考える人もいるだろう。基準線は人により様々であるのは人間の摂理だ。ただ、明確に年単位の基準線を引いてしまうことには私は反対である。よく、「10年は会社にいないと色々見えてこない」と巷では耳にするが、その基準は一体どこからきているのか疑問でならない。この人に言わせれば「ビジネスを進めて行く上でのスキルを身につけるのに10年要する」「お客さんとの関係つくり、経営能力、社会的信用をつくるのに10年は必用だ」といったところだろうか。しかし、こういった「ビジネススキル」に関することは、ビジネスを起こして進めていく上でもつけることは出来るはずだ。事実、そうしてきた人たちは沢山いる。10年という言葉は一種の逃げ道ではないか?自身の歩む道を決めるにおいて最も大切なことは「自分の中でのけじめ」をつけることだと私は考える。そして、最も躊躇してしまうことでもある。

なぜ躊躇してしまうのか?アメリカならば結構な確立でベンチャーの道に進む人が多い。それは、社会構造が大きく異なることが影響している。アメリカでは、なぜベンチャーを志す人が多いのか?それは、「失敗が普通のこと」として受け入れる風土があるからだ。日本では一度社会で失敗すると、失敗者のレッテルを貼る風土がある。「あいつ、失敗したみたいだよ」「やばくね、あんなんに俺はなりたくない」失敗に対し否定的な意見ばかりが目立つ。一方、アメリカでは失敗が普通だから、みんな恐れることなく新しいことに挑戦する。「あいつすごいことをやろうとしたみたいだぞ。今度はもっとでっかいことに挑戦するんじゃないか」「やべぇな、起業かっこよすぎる。上手くいかないのが普通だし、ちょっとアメリカンドリームに挑戦してみるか」・・・アメリカではベンチャーの失敗に対し、寛容かつ称賛の意見が多い。だからこそ、ベンチャーに失敗しても堂々と前を向き、次の一歩を踏み出すことが出来るのだろう。また、ベンチャー精神旺盛な背景にはエンジェル投資家の存在があることも忘れてはいけない。古い産業の長が、下から這い上がってくる若い企業の成長を楽しもうという懐の深さが、アメリカのベンチャー精神を支えているのは間違いない。

少し、アメリカと日本のベンチャーに対する意識の違いに話題が飛んでしまった。さて、本書を読み、彼らの若かりし頃の生活と今の自分の生活と対比して(対比による優位差判断はあまりしたくないのだが)、いかに自分の生活している環境が恵まれているのかを痛感することだろう。もんもんとしている人にとっては、新たな道に踏み込む勇気が湧いてくるのではないだろうか。しかし、あまりに誘発作用に影響されすぎるのも危険なことだ。勇気をもって、未知のフィールドに踏み出すことは確かに大切なことだが、それは何も企業の外へ飛び出すことだけを意味するのではない。企業内にあっても大きな一歩は踏み出せる。そして、日本では、新しいことを表に出すにあたって、今所属している企業から出したほうが、成功の可能性も高くリスクも小さい。企業の外でないと出来ないことかつ今までに無い斬新な起業案であるならば、会社の外に出なければいけないと思うが、そうでないなら無闇にリスクを取る必要もなかろう。企業内から(勿論企業外にもではあるが)しっかりと目標とプランを持った上で「新しい道」に踏み込んでくる若手が増えることを期待してやまない。

※ただ、最近は少しずつ流れが変わってきているように感じます。ベンチャーを志す若手も結構多いと聞きますね…けど、その多くが「社会貢献起業」に走っているのも事実。社会に良いことをしよう!という志は素晴らしいことです。ただし、しっかりとしたビジネスプラン無しで、ただ「大きくかっこいい理念」だけを立てて突き進む方針に対し、僕は反対の立場をとります。なぜならば、持続的に事業を続けるという点を鑑みた時、寄付と支援だけではなんとも心細く、頓挫してしまう可能性が高く、支援に頼ったとしても、それは国民の税金から出ているわけでありまして、結局広く消費者からお金を貰っていることと変わりないわけであります。ならば、巧みな戦略を立て、最低限の収入が獲得できるビジネスモデルでもって社会貢献をしていくほうが「かっこいい」じゃないですか(笑)。その点、フローレンスとtable for twoの経営方針は大好きなんですよね。彼らに習い、巧みなビジネスモデルをもって自分の事業を進めていきたいと思う今日この頃であります。