さて、週に3回ほど溜池~代官山間を闊歩する生活を1ヶ月続け、体脂肪率が一桁に戻った自称異人えびすが紹介するのはこちら。
「市場の数字に騙される?」
しばしばネットのトピックス欄に「前年比30%上昇。景気回復基調へ」「前年比30%下降。二番底視野に」といったヘッドラインを目にする。今日はこういった「ヘッドラインの数字」の裏側・本質を少し検証してみようと思う。以下に記載する私の脳内妄想語録を参考に進めよう。
かつての僕の研究室の後輩が、景気低迷・景気回復といったトピックス欄を目にして「景気は大分戻ってきているみたいですね。自動車販売が10%も回復したそうですよ」といったようなことを私に述べてきた。私は「おい、まて、その数字は本当に回復を意味するものなのかな?」
直感的にではあったが、様々な指標を考えても景気は上向いているようには感じ取れなかった。しかし、数字としては「プラスの結果」が出ているわけだ。ふむ、なぜだろうか?・・・私は時系列を追って、数字の意味する所を探ってみた。
・・・2007年11月、世界経済は絶好調であり、新車販売台数もぐんぐん伸びていた。トヨオタ自動車はこの11月だけで、全世界でおよそ100万台の売り上げを記録した。それから丁度一年後、サ・ラリーマン証券の破綻に始まる金融危機の煽りを受け、2008年11月の新車販売台数は前年比30%減となってしまった。そして一年後の2009年11月、政府の自動車購入に対する補助金制度の功が奏し、前年比40%増の売り上げを記録した。・・・
さて、ここからわかることはなんだろうか?実際の売り上げ台数ではなく、なぜパーセンテージを使って説明しているのだろうか?実際の売り上げ台数で上記の文を表現すると次のようになる。
・・・2007年11月、世界経済は絶好調であり、新車販売台数もぐんぐん伸びていた。トヨオタ自動車はこの11月だけで、全世界でおよそ100万台の売り上げを記録した。それから丁度一年後、サ・ラリーマン証券の破綻に始まる金融危機の煽りを受け、2008年11月の新車販売台数は70万台となってしまった。そして一年後の2009年11月、政府の「自動車購入に対する補助金制度(一年間)」の功が奏し、98万台の売り上げを記録した。・・・
一見、2008年度の前年比30%減のあとに、2009年度に前年比40%増となっているため、数値としては2007年度よりも販売台数が伸びているように錯覚してしまう。しかし、実際は2007年度よりも2%減少している。一例として、上記では「40%の回復と」したが、仮にこれが「10%の回復」だったらどうだろうか?販売台数は77万台となり、2007年比で23%の下落であり、到底景気が回復したということはできない。まして、そこに補助金制度が割り込んできたら尚更のことだ。
ここで、補助金制度についても少し考えておく必要があろう。まず第一に、補助金制度が「一時的な救済措置」であることを忘れてはいけない。一時的であるがゆえに、多くの国民がそれを利用しようと自動車の購入に走るわけであるが、そうなると何が起こるだろうか?
自動車とはそもそも寿命の長い商品である。昨今の高品質車であれば15年は買い替える必要は無いだろう。さて、この点を鑑みたときに、補助金制度はどんな影響を及ぼすだろうか?お分かりの通り、一時的な需要の集中とその後に需要の極端な減少を引き起こすことになる。なぜかって?皆その補助金申請が有効な期間に購入に走り、期間が過ぎてしまうと、途端に新車購入意欲は下がるからだ。「新車購入前年比40%減少」レベルの販売落ち込みも十分に起こりうる数字だと私は考える。もちろん、補助金制度施行の制限期間内に、景気が極端なリバウンドを果たすことができれば、話は違ってくるのかもしれないが。
※ふむ。結構重要なことなんですよね、この考え方。普通に販売台数で出せばいいものをわざわざ前年比率で出してくるから惑わされちゃう。メディアは困ったものです。また、国の政策もしっかりと頭に入れておかなければいけません。タイムラインを意識し、何時から何時までの政策なのか…それに伴う販売量の減少を企業側はどこまで想定しているのか。そこまで考えをめぐらせたいものです。今回紹介したように、一つの指標をとっても、それを他の数字で表現すると、当の情報に対する印象がガラッと変わります。一歩踏み込んで経済ニュースを見る癖をつけると、世界観が広がるのではないでしょうか?もっとも、周囲からは「異人」扱いされること請け合いですけれど。え?僕だけ?