2010年10月1日金曜日

As a duke, I should betray my people...really?

政府が為替介入の意向を示して、一時的に円安に振れましたが、果たしてその効果や長続きするものでありましょうか?折りしも大統領選挙を二ヵ月後に控えた時点での為替介入の表明・・・アメリカとしては「お前ら何考えとんねん!」と突っ込みを入れたくなるタイミングでしょう。その報復かアメリカでは更なる金融緩和を行うとの表明がありました。さて、日本政府はイタチごっこを続けるのか、はたまたアメリカに迎合するのか。ちょこっと面白い局面に向かっていますね。ここで、日本政府が強硬姿勢に出ることがあれば、米中二極体制の完成が一層早まりそうです。日本政府の決断やいかに!?あ、ちなみにこのブログを書いたのは9月20日だったりします(笑)。書き溜めること・先を予想して文頭を書くことを実験中。

さて、このままいっそう1ドル70円まで落ち、日本経済も方向転換せざるを得ない状況に直面すれば、いいタイミングで内需活性化プロジェクトを組めるのではないかと淡い期待を抱く、経済に関してはめっぽう素人なえびすが紹介する書籍はこち。

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「君主論を知っていますか?」ときくと、大体の人は「マキャべリが書いた本だよね」と答えてくれる。しかし、「内容はどんなものか知ってる?」と聞くと、誰も答えられる人がいない。今は亡き詩人 俵万智がある講演の中で「日本人はどの作品が誰によっていつかかれたかの記憶は凄いが、その中身について知っている人はほぼ皆無」と述べていたのを記憶している。

諸外国(欧米その他周辺国)では、当該作品がいつ書かれたのか?といったことよりも、その作品はどのような社会背景があり、どういったポイントに焦点をあてて、何を訴えるためにこの世に送り出されたのか、そして、それを読んであなたは作者の考えに対し、どういった思い・考えを抱いたのかを「自分の言葉で明確に表現する」訓練を組まされるという。なるほど、debateの素地はこういったところから鍛えられているようだ。日本でも年号暗記などに時間を割くのではなく、内容把握に時間を割く教育へシフトしなければいけない・・・ただ、今の「その場限りの知識の習得」の流れを鑑みると、難しいのは間違いないであろうが。

さて、いつものごとく話が逸れてしまい恐縮である。さっそく君主論の中身を見ていこう。君主論が書かれたのは1512年、この時期のイタリアは5大国(ローマ、ナポリ、フィレンツェ、ヴェネツィア、ミラノ共和国)が覇権を争っていた時期である。マキャべリは商家メディチ家が事実上社会を取り仕切っていたことで有名なフィレンツェの君主ロレンツォ・メディチに君主論を捧げ、職を与えてもらうことを期待したのであろう。この献上が功を奏したのか、後年マキャベリは枢機卿から執筆の依頼を受けている。
君主論に書かれている「理想の君主」像は、昨今の我われが期待するような「全ての民を思い、国の発展のために自己犠牲も惜しまない」といった綺麗な像ではない。性悪説を基調として、いかに臣下にある者たちが裏切りの行為を起こすのか、統治をするにあたってどのような障害・弊害(内部起因の障害、外部起因の弊害等)が現れるのか、統治に至る過程の違い(圧制によるものか、譲歩によるものか等)による民の統制の仕方などについて詳細に書かれている。今で言うところの、ゲームの説明書みたいなものだ…このようにすればこういったレスポンスが返ってくる。ある程度の操作方法を学んだら、あとは実践で慣れてください…マキャベリは民の視点と君主の視点、双方を有していたがゆえ、君主論を書くことが出来たのは間違いないだろう。

マキャベリが偉大な人間が辿ってきた道を辿ることの有徳を語っている点も見逃してはならない。長い時を経ても、なおその価値が認められる考え方・思想・姿勢といったものは、厳しい淘汰の歴史を経てきたものであり、付け焼き刃で生み出されたそれとは一線を画すべきものであるといえよう。これは芸術にも当てはまることであるが、長い歴史を経た現在でもその素晴らしさを認められるものには不思議と「エネルギー」を感じ取れるものだ。勿論、有名な作品であってもそれを感じ取れないものも多々あるのであるが(この点については書籍「芸術作品の根源」を読まれたい)・・・。

最後に、君主論でも一番の名言であると私が勝手に解釈している部分を引用したく思う。
君主は風のままに、運命の変化の命ずるところに従って自らの行動を変更する心構えを持つ必要がある。そして・・・可能な限り好ましい行為から離反せず、しかし必要な場合には悪事に踏み込むことができる心構えを持つ必要がある。
ウェーバーの「職業としての政治」 では、「臣・民が政治をどのように考えるべきか」が説かれ、マキャベリの「君主論」では、「統治者はどのように政治を執行していくべきか」が説かれている。およそ、広く国民一般が双方の書籍を読み終えることで、政治に対する新たな見解を打ち立てることができるのではないだろうか…もっとも、そんなことは既に過去になされたと思われるのだが。

※さて、ようやっと君主論を紹介することが出来ました。ウェーバーの書籍と合わせて読むことで、一層内容理解が深くなると思います。共通するのは他人に期待をし過ぎても駄目だし、信頼しすぎても駄目だということ。全ての民が裏切り・犯罪をしないという保証があれば話は違ってきますが、まぁそんなことはありえないわけでありまして・・・。大学生の皆様には是非とも読んでいただきたい書籍です。もちろんん、社会人一般の方々にも読んでいただけると幸いでありますけどね。