2010年10月3日日曜日

MAC skills will be of great importance in future

時々、あまりに素晴らしい書籍に出会うと、誰かに教えたくなくなることありませんか?これだけは、座右の一冊として、あんまり広く世の中に広めたくない…みんなが知っちゃうと、なんだか、この本の価値が(勝手な解釈なんですが)減じられてしまうようで嫌だ…実は僕の周りに結構いるんですよね、本当に素晴らしい書籍は誰にも教えないというヒト。とかくいう、僕もその一人だったりするのですが。とりわけ、洋書で翻訳されていない書籍に多いです。これは、俺だけのものだぁと自己満足に浸る自分に酔っちゃうんでしょうか。まったく卑しいこと限りなしですね、すいません。

さて、そんな卑しい心を持っていながらも、結局は喋りたくて仕方が無くなり、周りの友人たちに「これはやべぇべよ」とぽろぽろ内容をこぼしてしまう、アポ男えびすが紹介する書籍はこちら。

商品の詳細

とうとう出合ったか…本書をぱらぱらと見渡した瞬間に、これは「大当たり」の書籍だと直観した。出会いはAmazon.USA。本書に付けられたブックレビューの数(発売一ヶ月で50近く)に、「どないな本やねん」と興味津々で中身拝見をクリックした時だ。次の瞬間、あふれ出る珠玉の「Figure」に感嘆するばかりの自分がいた。

絶賛する理由は、ビジネスモデルについて「口」ではなく「図」をフル活用して紹介している点だ。巷に溢れるビジネス書の類は、おうおうにして方法論についてはたくさん書かれているのだがの質が稚拙なものが多く、記載の内容を勝手に図に落とし込んでもいまいちわかりにくい書籍が多い。まぁ私の理解能力が劣っている点もあろうが。翻っての本書、抜け目がないのだ、初めから終わりまで一貫して。本書は、新規のビジネスモデルを創出するための「教科書」として、広く大学・企業で有効に活用することができるレベルを保ちつつ、その内容説明・j方法論は簡略に書かれており、途中で迷うことなくビジネスモデルの創出プロセスを学ぶことができる。

さて、その方法論を少し紐解いていこう。
世の中には様々なビジネスがうごめいている。洋服をうったり、自動車を売ったり、ネット上で講演記録を売ったりとビジネスの展開の仕方・収益の上げ方は、千差万別に見えるものだ。しかし、どのビジネスにも共通する「核」となる要素および要素同士の「関係性」は存在する。違いはそこではなく、要素の展開の仕方・要素同士の関連性の付け方にあり、それらが「コア・コンピータンス」になっているわけだ。このコア・コンピータンスを把握・創出するためのツールとして、筆者らはBusiness model campusを提唱する。9つのビジネス要素とそれらの連関を、Firgureベースで感覚的に理解することができるcampusだ(以下参照図)。


分析事例に関しても、WiiやPSP、iPodにCar2Goなど、とっつきやすい題材が選ばれており、常に右脳・左脳を刺激されることだろうと思う。また面白いのは、ビジネスモデルを「平面」だけでなく、「階層」にわけた(3次元ビジネスモデル)概念が簡単にだが付記されている点だ(※ちなみに、3次元モデル図については使っているのは私だけしかいないようだが)。時間の流れを加えると、どうしても「階層」で考えなければならなく、二次元では限界がある。そこで、うまく階層を作り、時系列による影響までも含めたビジネスモデルを描くわけである。まぁほとんどの人には理解されない代物である…経験者は語るだ。

巷に溢れるビジネスモデル・イノベーションを謡った書籍に翻弄されている方には、是非本書を手に取っていただければと思う。経営の基礎であるManaging-Analyzing-Creating(以下MAC) 三つのスキルを身につけるにもってこいの書籍でであること間違いない。また、今後のビジネス社会を鑑みるに、どのような職種にあっても、「経営センス」なる力が要求される時代がやってくるのは時間の問題だ。一歩、二歩先を見据えて、今の内に経営センスを磨いておくのも良いのではなかろうか。

※先日、松岡正剛氏があるラジオ番組で語っていたことを思い出しました…日本を除くアジア人の現代アートがかなり凄い。日本人は良くも悪くも村上隆以降、原研哉に代表されるような「ミニマリズム」の路線をとってきたが、今のアジア各国では、膨大な情報量を一つの作品に落としこむことができる作家がたくさんいる。彼らの凄いところは、複雑怪奇で互いに喧嘩しそうなモノ同士を、うまくカオスの中でコントロールしていることだ。コントロールできていないと、まぁ子どもの遊びなんだが、それがしっかりとできているので凄い作品に仕上がる。日本の現代アートはいよいよ絶壁に立たされるんじゃないかな…かなり僕の編集が入っている点、ご容赦ください。これと同じことが、教科書や参考書にも当てはまるんですよね。日本発の教科書で「コレは!」という書籍に、ついぞ出会った覚えがありません。難解な言葉をわざとらしく使って、図は全くなく、視覚的な理解ができない、そんな書籍がほとんど。反対に、図を使ってわかりやすく書かれていると思ったら、内容が稚拙であったり。高度な内容を維持しつつ、わかりやすい説明・図が満載されている教科書が出てくることを願います。あ、ちなみに、本書は2010年度後期No.1候補の書籍であります。