12月も目前ですね。師も走る季節とは言いますが、子は呼吸困難になるほど全力で走り続けていることと存じます。良い形で一年を終える、これは結構大切なことです。もし、今年が良い年であった人は、来年もその良さが続くという期待以上に、今の良い流れを活かして何か一つじっくり取組んでみよう!と考えるのもいいことでしょう。また、あんまりよろしくない一年だったなぁと思いの方は、心機一転良い流れを作るためにも、一年を振り返りつつ、来年の豊富を組み立ててはいかがでしょうか?豊富というと、結構その場の流れで決めてしまうことかと思いますが、しっかりと構え、これは達成するぞ!という意志を吹き込める抱負を時間をかけて考えてみることをお勧めいたします。達成した時の感慨深さは相当なものだとおもいます。
さて、去年の抱負を振り返りつつ、成し遂げられなかったことを成し遂げることにやっきになりつつも、空回りばかりが目立つ、自称「言明の回転車」えびすが紹介する一冊はこちら。
これまでも、政治について古今東西様々な考え方を持つ学者の書籍が出版されてきた。ウェーバーの「職業としての政治」、マキャベリの「君主論」、アダムスミスの「国富論」etc。私が本ブログで紹介させていただいた政治に関係する書籍は、政治学のほんの一角を占めるに過ぎない。この学問の世界は想像以上に様々な学問と関係を持っているのは皆よくご存知の通りである。何せ、政治が包括するフレームの広さは、国家の統制、国家間権力争い、経済政策、教育改善、科学振興etc…およそ、数え上げればきりがないほどの分野にわたって、直接ではないにせよ影響を与えているのは間違いない。
本書は、近代以降の政治の流れ、各々の組織の構成・目的、古典にみる政治感とバラエティに富んだ内容である。しかし、各論ともにすっきりと腑に落ちる内容と明快さを備えており、政治学について少し深く知りたい人にはもってこいの一冊であろう。各論で興味を持った箇所・内容があれば、そこに記載されている参考文献等をあさり、いっそう深い理解へと繋げる楽しみも生まれることであろう。
さて、早速本書に収められている言論について紹介していこう。政治家の言論は、一国の未来、国民の将来を左右する効力を持つ。であるから、私が本書で展開しているような軽々しい言葉の羅列などは到底できるものではない。言論が機能を果たすには、入念な計算のもとつくりあげられたメッセージと今・ここのタイミングが必要となる。さて、翻って今の政治家はどうだろうか?小泉首相以降の政治家を見ていると、どこか彼らの素質に疑問点をつけざるを得ないと感じるのは私だけではないだろう。ただ、もう一点、注意すべきことはある。それは『また失言』『リーダー性の欠如』『信念の無さ』を押し付けている我われが、どういったポジションで何を考えて発言しているかについてだ。安全な場所から小石を投げるのは楽で良いが、石を避ければ非難され、受け止めれば傷つくポジションにいる人のことも考えるべきであろう。もし、丸山真男が今の時代に生きていれば、即刻議会の「総辞職」を要請するのはもちろんのこと、選挙制度・政治家育成の改革を断行するに違いない…帝国日本とまではいかないにせよ、幾分過激な政治家が多々現れることであろう。同時に国民の教育・政治に対する考えかたについても、色々と変更点を加えなければならない。
最後に、上述の延長線上で個人的に想うことを述べさせていただきたい。それは、昨今の「勢いで新しいことに身を投げる若者について」である。彼らの新しいことへ挑戦しよう!という意気込みは素晴らしい点、私も認めよう。しかし、歳を重ね、思考を重ねることなく、一面的にしか物事を見ようとしないままに、ふらふらと地に足をつけぬまま、飛び出す…日本社会が丈夫な基盤を持っているのを鑑みると、いささか勿体無い気がしないでもない。少なくとも、一つの分野で何かしらの結果を残してから外に飛び出して欲しいと願う「大老」の意は、なかなか汲み取られることがないのではないだろうか。ある著名人がいうには、社会のシステムを理解し、少なくとも一つの強みを持ったうえで新しい世界に飛び込む人は成功するだろうが、勢いだけの人はどうも上手くいかない傾向がある。仕組みをしっかりと考えること、その仕組みを回すにはどういった資源が必要なのか、どれほど確保できそうなのか、自身でカバーできる範囲はどれくらいかまで把握すること。そこまで理解したうえで新しいことに取り組む…明治維新の獅子達にあって今、新しいことに挑戦する人たちにないものは何か?時代が要請するもの、人として大切なものは、外から見て・聞いても「カッコイイ」。しかし、渋沢栄一や福沢諭吉、岩崎弥太郎らに学ぶべき「もの」も見逃してはほしくないと思うばかりである。
※大手オンライン書店のレビューでは色々と書かれております。確かに、本書の内容は明確な答え・解決方法などが記されているわけではなりません。どちらかというと、論文らしく各々の取り組み(マニフェストや派閥)がなぜつくられたのか、どういった弱点があるのか、その効果はどれほどであったのかを客観的に評するものとなっています。普段、論文を読むことに慣れている学者さんの目から見れば、すーっと納得いく書籍となるでしょうが、なんらかの答えを書籍に求める人たち(僕もこっち側の人間でしょうけれど)には、これをせよ!こうあるために、こうかえよ!といった主観的な文言は収められていないため、幾分有用な書籍と感じ取れないのも事実であります。ただ、過去の事例がどういった成り立ちを持っているのか、構造的にどこがよろしくないのかを知るには素晴らしい内容を備えております。事例・事実の背景をみんなが知ったうえで、それに対してどのような流れを築いていけばよいのかを考えること…「あなたまかせ」から脱却せよ!と暗にほのめかしているように感じとれました。丸山真男、ハンナアーレント、ウェーバー、マキャベッリ辺りの著作を1,2冊かじっておくと内容理解が深まるのではないかと思います…ただ、彼らの書籍を読むのは結構骨が折れるのも事実であります。
