2011年1月7日金曜日

Do you Love Lingerie or Underclothes ? Yes, I Love the Former...

七草粥。昔から伝わる食事文化の背景を探ると面白いことしばしば。・・・正月の豪勢な食事に、少し胃ももたれ気味でしょう。これからお仕事が本格的に始まるみなさま、今日はお身体に優しい薬草たっぷりの『おかゆ』を食べて、滋養を取り戻すこととしましょう・・・。まったく、頭が下がる思いであります。細部にいたる心使いにおいて、『日本人』の右に出る『ヒト』はいないのではないでしょうか。自らを律する習慣は世界各国に多々ありますが、自らを癒す習慣、それも科学的に効果がある癒しを得られる習慣は少ないように感じます。いやはや、日本に生まれてよかったなぁ。

さて、楽観的な年の始まりとは裏腹に、仕事面で色々と追い詰められ、ちょこっと胃が痛い日々を送っている心身のか弱いオトコ、えびすが紹介する一冊はこちら。

商品の詳細

西洋の下着が本格的に日本女性に根付いたのは戦後のことである。海外では既に、コルセットなどと合わせて下着の役目は『ボディを整える』ところにあったようだ。確かに、ブラ・ショーツとも、履くことで身体を縛る感覚を抱かせられるのは良く知られたところあだろう。ただし、その縛りはきついものからゆるいものまで様々だ。
 
中世/西洋にみる下着の多くは、後者の分類に入るだろう。プロポーションを綺麗に見せるために開発されたであろう下着。男性が着用するものと、女性が着用するものには大きな違いがあったのは想像に易い。女性の美の追求、その美の形はしっかりと後世にまで伝わってきているようだ。さて、そんな『矯正具』としての西洋の下着と比して日本のそれはどうであったか?

私の記憶している限りでは、オトコもオンナも皆ふんどしを着用していたように思う。プロポーションを綺麗に見せるというよりは、快適な生活を送るために着用していた。個尾の背景には、日本の着物と、西洋の洋服にみる、『体系』を見せることに対する考えかたの違いがある。着物は体系を隠す役目がある一方、洋服は体系を際立たせる役目があるように感じる。

もしも、本格的に下着文化を探るならば、大衆文化一般論まで、そのフィールドを広げなければならない。が、今回はそこまで深くは掘り下がらないこととしよう。何せ、紙面が足りない。日本と西洋で下着の役目が大きく異なっていたという点だけ、頭に入れておくこととする。

さて、前置きはこれくらいにして、本書の心理学的な内容を少し見ていこう。
下着には大きく二つの心理的な効果がある。一つ目が、着用者自身の快適さ・自己満足に、ねづ苦心理学的効用、二つ目は、着用者を見る側にたった心理学的効用だ。先の日本人が下着に求めているものと、西洋人が求めていたもの、両者の心理学的効果を下着は補完している。統計結果によると、前者に重きを置いているのはどちらかというと高齢層に多く、後者においては若年層に多い。恋多き若き年代の女性達は、相手を惹きつけることができる、魅力的に自分を魅せられる下着を好んで着用する傾向にある。年代別の女性が気にする視線の統計結果にもこれは如実に現れており、若年層ほど恋人・夫の視線を気にするとのことだ。ただ、一点注意すべきは、それは特別な日に限ると述べる女性が多い点である。日常の生活においては、やはり着心地が最重要視されている。

また、自分のプロポーションについて不満があるかないかの調査結果も興味深かった。彼女・妻のプロポーションに50%近くの彼氏・夫が満足している一方、彼女・妻のそれは15%に満たない数字となっている。この背景には、女性のプロポーションを意識した宣伝および完璧なスタイルのモデルの露出が多いことが大きく影響しているように思う。これに関し、昨今は男性のプロポーションについても色々と言われてきていることを鑑みると、今後は男性においても、同じ様に自分の身体のプロポーションに不満を持つ人が多くなるようにシフトしていくものと考えられよう。

※下着という言葉に引かれて本書を手にしたのは言うまでもなく、ただ、思っていた以上に統計の取り方・統計の分析の仕方が新鮮に感じられました。自分の知らない分野に踏み込むこと、新たな発見・気付きがたくさんあるので、面白くてしかたないです。本文中では評しませんでしたが、『見せる下着』と『見られる下着』に対して女性が抱く心理的不快感・開放性は、社会心理学的に掘り下げてみたいところですね。哲学的断片をそこに組み込んでいくと、興味深い『論』ができそうです。