さて、頭の使いすぎによる頭痛に悩まされつつも、日々のタスクが終わらないことに、悩みつつ、放出されるアドレナリンがもたらす快に浸る日々を過ごす、かなりの変わりモノえびすが紹介する一冊はこちら。
ゼロから1を創る。このプロセスを実践したことがある人はどれほどいるだろうか?自らの頭で、何かを起こす、その過程で得られるものは、既存のプロセスに乗っかる過程で得られるものとは雲泥の差がある。
もちろん、既知の物事を頭に詰め込むことも大切だ。しかし、それ以上に、詰め込んだものから新しい何か・独自の何かを創りだすことに重きを置かれたい。言うなれば『正解のない答え』の探求と構築。これを実践している人たちのことを、今回のブログの中で広義の意としての『クリエーター』と名づけたい。
さて、今回はゼロから1を創りだすことに長けたクリエーターの『思考・創造のプロセス』を紹介しよう。本書が取り上げるのは、アドバタイズ・コマーシャル分野の第一線で活躍するクリエーター達だ。原研哉、佐野研二郎、水野学etc…みな一度は耳にしたことがあろう・その生み出されたモノに感嘆の息を漏らしたであろうクリエーター達が『新しいモノ』を生み出す際に、どのような思考回路をたどっているのかは興味深いと思うのは私だけではないはずだ。
総勢12人の思考回路は皆刺激に満ち満ちたものである。その中でも私の印象に深く残ったクリエーターの創造プロセスを少々綴らせていただきたい。そのクリエーターは、森本千絵。
私の知人に「女性クリエーターといえば誰?」という質問を投げかけた際、彼女を頭に思い浮かべる人が多い。確かに、彼女がこれまでに生み出してきた『モノ』の数々のクオリティを見れば納得のいく答えである。さて、私自身、本書に納められた12人のクリエーターの『創造プロセス』の中でも、森本千絵のそれには、ひどく惹きつけられた…一体、彼女の何が私を惹きつけたのであろうか?
惹きつけられた要因の一つに、彼女が『たゆまぬ努力の果てに今のポジションを獲得するに至った』経緯があるのは間違いなさそうである。武蔵野美術短期大学へ補欠合格で入学し、編入試験をパスして本科に入学。その後博報堂を経て独立した経歴から伺えるのは、彼女の「たゆまぬ努力」を常に積み重ねようという強い意志である。ストレート・順風満帆ではないかつ常に先の世界/新しい世界に踏み出そうという強い思いが、私の心臓の鼓動と共振したのだろう。もちろん、彼女が創りあげる作品そのものからくる感銘も後押ししているのは言うまでもない。
12人全てのクリエーターに共通するモノも記しておきたい。それは、何事に対しても人一倍強い好奇心を持ち、その好奇心からくる意欲に火をつけられ走り出し、火が大きくなるに伴って多大な努力を積み重ねていく点だ。青木氏の創造プロセスにあるような、何重もの思考を重ねた末に一つの答えを創りだす過程が正にそれと一致するのではないだろうか。時間制限がある状況下で、何重もの思考のプロセスを踏む…まぁ、とんでもない苦労が潜んでいることであろうが。
人一倍の努力の積み重ねはなぜに成しうるのか?それは言ってしまえば、周りの人たちの怠慢があるおかげだ。もしも、皆が皆、本書の12人のように弛まぬ努力を積み重ねることができるならば、恐らく彼ら・彼女らが今のポジションを得ることは難しかったかもしれない。努力の恩恵というと安い言葉になってしまうが、人一倍何かに向かって努力を積み重ねることは、才能以上にその人をヒトたらしめるのだろう…有名な科学者の言葉にもあるが、本書のページをめくるにつれ、この言葉の真意が強まる感覚を覚えるはずだ。
※久しぶりにデザイン関連の本をあさっていたら出てきた本書。読み直して、感じたことは、一線で活躍する人たちの半端ない努力量です。彼ら・彼女達にとっては、周りの人が『やらなければいけない』思いで、物事に取組んでいるのに対して、『やりたいから・・・やっちゃう!』思いが強いのではないかと感じた次第です。普通の人が感じるであろう『苦』を苦と感じない…いや、苦の中に楽を見出しているんでしょうか。うーん、改めて自身の『物事を学ぶ態度』に関し、客観的に見つめなおさせられる、良い機会をもたらしてくれたことに感謝感謝です。
