2011年2月14日月曜日

First of all, we must consider a lot before writing the "thooughts"

ブログを続けていると時々ネタに困ることがあります。最近書評しかしていないなぁ…また同じ分野の一冊になっちゃうなぁ…等、結構悩んだりします、こう見えて。頭を悩まされる時は、気分を一新するために散歩に出かけます。そこいらを歩いていると、不思議と「発見」がたくさん舞い降りてくるんですね。で、その発見をもとに次のブログを構成していくわけであります。そして、一つの記事が出来上がるのですが、これを読み返すと、「あれまぁ、以前の記事の延長線上じゃないですか」となっちゃうことがしばしば。うーん、僕の思考過程にあるものしか「発見」として感得できないようで…申し訳ありませぬ。

さて、考えすぎて熱を出すことしばしばな自身の肉体に、もう一つ鞭を打って、後になって後悔することしばしばな、自重が不得手なオトコえびすが紹介する一冊はこちら。

商品の詳細

Idea Writer。直訳すると、アイデアライター=アイデアを描く人となる。アイデアという単語そのものは大衆一般に広く知られたものであろうが、Writerという名詞が付随することで、Ideaのフレームがぐっと狭くなる…いや、ここではWriterという単語が、Ideaという接頭語によってフレームが絞られると考えるべきだ。前者においてはIdeaの中にWriterを位置づけており、Writer以外にEngineerlawyerEntrepreneursIdeaのフレームがまずもって存在している。一方、後者にあってはWriterの中に、Ideaに特化したフレームを持ち込むといった具合だ。入り口を間違えると、途端に前方が見えなくなってしまう…私自身、何度痛い目にあったことか。

さて、Writerになるためには、まずDrawerでなければならず、「書く」前段階としての「描く」能力の必要性は納得できるところであろう。頭の中に思い描く像・思想・考察・省察etcそれを描く=Drawerことができなければ、それを言葉に落とし込んで「書く」ことはおよそ不可能なことだ…最も、ブルトンの言う自動筆記ならばそれは可能だとも考えられるわけだが、ここでは深く踏み込まないことにする。

前提としての描く力≒想像力の重要性を説く本書であるが、Writerの定義については明確にしていないようだ。むしろ、Writerはもはや誰もがなりうる…いやなるべき定義不能なポジションだとも述べていたように思う。それはつまるところ、裏返しとしてのIdea Writerになることの難しさを示唆しているといえる。誰にでもなれる≠容易になれると考えるのは、浅はか甚だしいことであり(かつての私をそこに見出してしまいそうだが…)、定義し得ないからこそ、資格として立証しえないからこそ、そのポジションの獲得は第三者の認証によってのみしか成り立ち得ない。これを踏まえると、一般的なフレーム(これも定義は難しいのだが)で捉えるWriter=文章を書く人を大きく超え出でないとIdea Writerをつとめるのは不可能だということだろう。この接頭語「Idea」をどう捉えるか…それについても少々綴っておかなければならない。

本書のIdea、それは相当に高度なレベルを要求しており、日常の中でふと思いつく類のIdeaとは一線を画する。そのIdeaとは、社会心理学・訴求力・消費者背景・メディアとの相性etcの緻密な構成のもとに成り立ち、OKかなと思ったところからもう一歩、二歩、三歩先へ進んでようやく前景が見えてくる程度の骨太さを持っている…この苦労無しにIdeaは醸成されえない。ここで得られるIdeaは先に述べた「描く」に留まるものだ。そして、「描く」を終えると次はいよいよ「書く」に移る。Ideaを「描く」までも大変なことであったが、「書く」はそれ以上に困難を極めると言っても過言ではない…「描く」の意図を最も有効に第三者に理解してもらうように「文字・言語」に落とし込む…恐らく、誰しも経験したことがあるであろう。

ここでいう「書く」は、単に読者が理解できるように、Ideaを文書に落とし込むだけでは足りない。もう一歩踏み込んで、有効性=戦略性をそこに組み込む必要がある。ちょうど第一段落の最後に述べた「入り口」をどうやって築くかも戦略の一つだ。「て・に・を・は」の選択にすらも細心の注意が払われるのは言うまでもないところだろう。文章・言葉を読んだ・耳にした人が得るだろう体験を緻密に構成し、Ideaが上手く伝わるよう「書く」プロセスは相当に労を要する。

自身Idea Writerになりうるのか少し考えてみた。これまでに多くの文章を落とし込んではきたが、その一文一文に対し読み手がどういった体験を得るだろうとまで考慮して綴った記憶は、申し訳ないが一度もない。これを期に、少し自身のWriterのポジションを再考したく思う…最も、「思う」で留まらなければいいのだが。

※なかなかに読み応えある一冊でした。日本で言うところのコピーライターの仕事内容を少し掘り下げた感じでしょうか。ただ、Ideaを出すこととそれを文章に落とし込むことは別物であること、本書から学べたように感じます。Ideaを出すのも大切、けれど、それを誰かに理解してもらえるように伝えることはもっと大切なことです。独りよがりの偏屈な思考に縛られないようにするためにも、第三者が理解できる文章に落とし込むことは大切ですね。うーん。自戒自戒。